俳句 (5/13掲載)

俳句

【石母田星人 選】

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狛犬の阿に飛び込みし桜かな  (石巻市桃生町・渡辺龍夫)

【評】神社参道などの両脇に設置されている阿形(あぎょう)・吽形(うんぎょう)の狛犬(こまいぬ)の像。狭義では阿形が獅子、吽形が狛犬とされているが、一般的には2体を併せて狛犬と呼ぶ。飛花が始まり狛犬たちにも花が降りしきる。2体とも花にまみれて、口の開いた阿形には花びらが飛び込む。桜色をまとった姿にはいつものいかめしさがない。守護獣の役目を忘れ笑っているようにも見える。一年のうちこの期間だけに見せるやわらかな表情だ。

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菜の花の奥に学園青春歌  (石巻市渡波町・小林照子)

【評】ありふれた素材ながら構成がいい。中七の「奥に」が効果的で、菜の花が咲く南向きの明るい斜面と遠くの学園の様子が見えてくる。下五「青春歌」で、学園が作者の学び舎だったことも分かる。

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新緑の名護屋城跡武士の夢  (石巻市桃生町・佐々木以功子)

【評】名護屋城は豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して拠点として築かれた城。佐賀県唐津市にある広大な城跡には石垣や空堀だけが残る。季語の新緑が心に染みる。

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春の星何になりたく光り出す  (石巻市桃生町・佐藤国代)

【評】夕暮れが迫る紫色の空に一番星を見つけた。星は刻々と輝きを増し大きくなってゆく。まるで自ら灯した明かりのようでその成長が何ともいとおしい。

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いっときを猛りて野火の果てにけり  (石巻市桃生町・西條弘子)

浜風や青にこだはる鯉幟  (東松島市矢本・紺野透光)

花万朶なり一管の鳶の笛  (石巻市相野谷・山崎正子)

雲踏めば神に近づく朝寝かな  (仙台市太白区・八重樫静子)

想像も創造もあり卒業す  (石巻市向陽町・佐藤真理子)

連翹や坂一枚をわがものに  (石巻市開北・星雪)

山間の夕日借景柳絮飛ぶ  (石巻市大森・横山つよし)

天地有情の碑に花びらの七つ八つ  (石巻市相野谷・戸村昭子)

記念樹のまだ幼くて桜まじ  (石巻市小船越・三浦ときわ)

引率の若き教師や花の山  (石巻市小船越・加藤康子)

生真面目な河童のはなし春惜しむ  (石巻市広渕・鹿野勝幸)

葉脈の小骨のごとき若葉かな  (石巻市駅前北通り・小野正雄)

春光のおどる河原や句会道  (石巻市飯野・高橋芳子)

十重二十重花降る夜の宴かな  (東松島市矢本・雫石昭一)

夜の嵐吹き寄せられし花筏  (石巻市北上町・佐藤嘉信)

ぞうの鼻きりんの首や子供の日  (石巻市吉野町・伊藤春夫)

【2017年5月13日(土)石巻かほく掲載】

■作品を募集中

 短歌、俳句、川柳を募っております。皆さんの力作をお寄せください。

 募集要項は次の通りです。

 短歌、俳句、川柳とも必ずはがきを使い、1枚に3首・句まで。いずれも自作の未発表作品に限ります。作品は返却しません。

 作品と同じ面(裏面)に氏名(筆名の場合は本名も)・住所・年齢(学年)・電話番号を記し、〒986-0827石巻市千石町4の42、三陸河北新報社編集部・文芸係(短歌、俳句、川柳を明記)まで。連絡先は0225(96)0321。


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