劇団員との1日(久野義文)

水紋

 大型連休を利用して先日、仙石東北ラインで東京と仙台から男女3人の劇団員がやって来た。石巻駅で出迎えた。

 ガイドなんて不慣れだったが、ちょっとした触れ合いや発見に感激する彼らに、観光って別に名所に連れていくことだけではないんだと思った。

 例えば街でのランチ。そこは中国人夫婦が営む食堂。気さくな奥さんが3人が劇団員と知ると、母が京劇をやっていたと言って、スマホに取り込んでいた京劇時代の写真を見せてくれた。一堂、興奮。京劇をめぐって話が弾んだ。

 日和山公園にあるカフェにも足を伸ばした。シュークリームは別腹とばかり買い求めて、おいしそうに食べる3人。店の女性とも談笑。日和山に咲く桜の種類や、カフェと日和山公園の物語に聞き入った。

 サン・ファン館に行く途中、道路沿いにあったのが蒸しパン屋さん。味もとりどりの蒸しパンが並んでいた。よその街で見つけた、しゃれたパン屋さんに心をときめかしていた。

 「石巻って面白い」

 たった1日だけの石巻滞在だったが、個性的な人たちとの出会い、素敵(すてき)な店との出合いの中に、復興に向かう石巻の魅力を感じ取っていた。

 昨年、始まった「いしのまき演劇祭」を縁に、石巻を訪れる演劇人が増えている。石巻の空気に触れた彼らが、演劇の魅力でさらに石巻の街を面白くしてくれるに違いない。今年は11月に2回目の演劇祭が繰り広げられる。

(久野義文)

【2017年5月11日(木)石巻かほく掲載】


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