感謝(河北新報社石巻総局・水野良将)

水紋

 感謝を表す言葉がとても心地よかった。

 3月下旬に東松島市役所であった「東松島ふるさと復興大使」の委嘱式。お笑いトリオ「パンサー」の尾形貴弘さん(39)が、右手人さし指を前へ突き出し、声を張り上げた。「復興大使に選んでくれてサンキュー!」

 尾形さんは東日本大震災で被災した同市野蒜地区出身。祖父の故正一さんは合併前の旧鳴瀬町長だった。委嘱式では古里にまつわる話題を披露し、会場を盛り上げた。

 「おじいさんのスターの血が流れていることをヒシヒシと感じている。桑の実やセミを食べてこの体ができてます」

 「自然豊かで人が温かい。震災で大変なこともあった。熱く、元気よく貢献したい。テレビに出た時は東松島のことを言いますわ。期待してください。サンキュー!」

 結婚して家庭を築いた尾形さん。「ぜひ飲みに連れて行ってください」と、ちゃっかり阿部秀保市長にお願いし、Uターンの可能性にも触れた。

 
 今春、石巻市内の幼稚園の卒園式に参列した。園児が声をそろえて言った言葉が胸に響いた。

 「ありがとう。この1秒ほどの短い言葉に、人の優しさを感じることがある。お世話になった先生方。お父さん。お母さん。皆さん。本当にありがとうございました」

 目頭が熱くなった。

 サンキュー。ありがとう。震災から7度目の春。出会いと別れの季節に感謝の気持ちを素直に伝えることの大切さをかみしめている。

(河北新報社石巻総局・水野良将)

【2017年4月18日(火)石巻かほく掲載】


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