(82)オリエンテーション

 いよいよ新年度のスタート。

 昨今の大学では、ほぼ1週間かけて講義の履修の説明などを行い、新入生に対してはホテルなどでの「合宿」を通じてガイダンスおよび友達づくりの機会を提供することも珍しくありません。また、企業においては、新入社員に新しい職場環境にいち早く順応できるような知識やノウハウなどを教示。

 略して「オリエン」とも呼ばれます。

 「オリエンテーション」と聞くと「オリエント」そして「オリエンタル」という言葉を思い浮かべることでしょう。何か関係があるのでは?

 「オリエント」は英語で orient。中学の授業で「東アジアの国々」を指すと習った記憶があります。

 orient は「太陽が昇る地・方向=東方」を意味するラテン語 oriens に由来します。東洋・中近東はオリエント( The Orient )と呼ばれますが、元来は「日が昇る地」という意味。「日出づる国・日本」を想起させる言葉です。

 かつてヨーロッパでは、太陽の昇る east(東)が重要な方角だったとのこと。教会を建築するときに主祭壇を東に設置したことから、東が正しい方向と考えられ、「方向付けをする」を意味する orientation(オリエンテーション)という言葉が生まれたようです。

 「東方」と聞くと、聖書の「東方の三賢者」“ The Magi ”(英語の発音ではメイジャイ)を思い浮かべます。イエスが誕生した時、3人の博士が東の国からはるばる礼拝にやってきた(「マタイによる福音書」2:1-13)。

 彼らはひときわ輝く星に導かれてキリストの生誕の地・ベツレヘムにたどり着くのですが、この星は「ベツレヘムの星」と呼ばれ、クリスマスツリーの先端に飾られる大きな星は、これを模したものです。

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2017年4月4日(火)石巻かほく掲載】


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