(81)さようなら

 3月は別れの季節。卒業式、送別会が手帳の行事表に並びます。

 「さようなら」は「左様ならば」に由来し、「じゃあ、そういうことで」のような意味とのこと。

 海外からの多くの人が我が国を訪れる今日、「コンニチワ」「サヨナラ」は国際語になりつつあるようです。

 英語は、おなじみ“ Good-bye. ”(グッドバイ)ですが、これは“ God be with you. ”「神のご加護があらんことを」という祈りの言葉の短縮形です。

 「別れ」を意味する英語は parting 。part(パート)は「部分」ですが、動詞では「分ける」「別れる」を表します。

 シェークスピアの『ロミオとジュリエット」で、夜、敵であるジュリエットの家の庭に忍び込んだロミオが、ジュリエットと愛の言葉を交わす名場面。

 乳母から呼ばれて寝室に戻らなければならないジュリエットがロミオに告げる別れの言葉は、
 “ Good night, good night!
  Parting is such sweet sorrow, That I shall say good night till it be morrow. ”
 「おやすみ、おやすみ!
  別れがあまりに甘い悲しみだから、朝になるまでおやすみを言いつづけていたい」(II幕2場)

 学生時代、この“ Parting is such sweet sorrow, ”「別れはかくも甘き悲しみ」というセリフに出逢ったとき、sweet sorrow(甘い悲しみ)という言葉の組み合わせに感激。「切ない」という日本語の語感にそっくりだと思ったしだいです。

 「さようなら」の言葉をもう一つ。

 “ I’ll miss you. ”… おなじみ“ I miss you. ”(あなたがいなくて寂しい)の未来形で、「寂しくなるね」といった意味になります。もっとも、明日また会う人に言うとジョークになりかねませんが。

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2017年3月28日(火)石巻かほく掲載】


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