演劇の力(久野義文)

水紋

 演劇の人たちと会う機会が増えている。昨年、初めて開かれた「いしのまき演劇祭」が一つの縁になっている。

 演劇祭にはせ参じたのは石巻出身者だけでない。石巻と縁もゆかりもなかった人たちもいる。演劇の力を信じて、石巻に駆け付けてくれている。彼らに共通しているのは、東日本大震災の被災地・石巻の街を演劇で何とか盛り上げたい-という思いだ。

 東京で劇団「球」を立ち上げた女優の田口萌さんもその一人だ。2014年から毎年夏、石ノ森萬画館で公演を行っている。田口さんはこの夏、第10期生である女子高生たちを石巻に連れて来る計画をたてている。被災地で演劇をするということはどういうことかを感じ取ってほしいからだ。

 石巻のために熱くなってくれる素晴らしい演劇人たち。

 先日は仙台を拠点に活動する劇団「長距離男道ミサイル」が東北ツアーの最初の地に石巻を選び、市民を巻き込んで熱い舞台を展開した。

 地元の劇団も負けていない。19日には「スイミーは まだ 旅の途中」が公演する。5月には、いしのまき市民劇団「夢まき座」の三國裕子さんが一人芝居に挑む。石巻出身の芝原弘さんらによるユニット「コマイぬ」も6月にやって来る。

 11月の「いしのまき演劇祭」を目指して、石巻の街を出たり入ったりしている演劇仲間たち。私ができることと言えば取材で知り合った演劇人たちをつなげることだ。演劇の力が市民を、街を再生する。今はそんな夢を見ている。

(久野義文)

【2017年3月14日(火)石巻かほく掲載】


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