トランプ旋風もあって、米国からのニュースに接することが多い昨今、「ワシントン」という地名に戸惑いを感じている方も多いのでは?
アメリカの首都はご存じワシントン。ところがマリナーズの本拠地があるシアトル( Seattle )の州名も「ワシントン」。
昨年、アメリカを訪れようとした時、知人からこう尋ねられました。
“ How long are you going to stay in D.C.? ”
「D.C. にはどれくらい滞在の予定ですか?」
D.C.? 一瞬戸惑いましたが「ワシントンD.C.」のことだと即座に分かり、
“ Just one week. ”
「一週間ほどですよ」
と答えたしだい。
アメリカの首都ワシントンの正式名称は、Washington D.C. です。
Washington は、初代大統領のジョージ・ワシントン( George Washington )にちなんだもの。
では、D.C. とはどのような意味でしょう。
独立戦争後の1790年、議会はポトマック川付近を「コロンビア特別領」( Territory of Columbia )とし、首都地域にしました。そして、この中の町・ワシントン市( City of Washington )がその後コロンビア特別領と統合されて、「コロンビア特別区」( District of Columbia = D.C. )が成立。このワシントンD.C. はどの州にも属さず、連邦議会の直轄地となっています。
一方、シアトルのある西海岸最北部の州は「ワシントン州」で、State of Washington が正式名称です。
なお、Columbia というのはアメリカ大陸を「発見」したクリストファー・コロンブスにちなんだもの。「コロンブスの地」といった意味です。アメリカの別称として用いられますが、日本を大和と呼ぶのと似ていますね。
大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)
【2017年3月14日(火)石巻かほく掲載】