支え合う力(河北新報社石巻総局・鈴木拓也)

水紋

 「いっち、にー、さん、し」

 昨年10月に入居が始まった石巻市新門脇地区の災害公営住宅の集会所で毎週水曜日、お年寄りたちの元気な声が響く。

 地元町内会が実施する「まねき いきいき体操」。椅子に座って約30分かけて手や腕をゆっくり伸ばし、体をほぐした後は歌やゲーム、食事会などを楽しむ。

 先日、取材で立ち寄った際は27人が参加。もともとは現地に残った住民らが2013年夏に始めた集まり。今は災害公営住宅の新しい住民も加わり、交流を深める貴重な場になっている。

 「災害公営住宅はドアを閉めれば隣に住む人が誰だかも分からない。少しでも外に出る機会をつくりたい」。体操教室を運営する町内会の遠藤佳子さん(63)と阿部規子さん(62)は、住民が孤立しないか気に掛ける。

 東日本大震災後、住民主体のコミュニティーづくりが市内の至る所で行われている。仮設住宅の集約に合わせ、移る人が相談事を話しやすいようにと定期的にお茶会を開く動きも出てきた。こうした集まりを取材する度、悲惨な出来事や不自由な暮らしを乗り越えてきた被災者の支え合う力の強さを感じる。

 昨年取材した災害公営住宅の女性の言葉が心に残る。「みんな同じ目に遭って、縁あって同じ場所に来た。一つの家族みたいに助け合っていきたい」。

 これからも地道な活動に寄り添い、応援したいと思う。

(河北新報社石巻総局・鈴木拓也)

【2017年2月28日(火)石巻かほく掲載】


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