肩透かし(桜井泉)

水紋

 「せっかく初めて奥松島まで足を運んだのに、これでは何も楽しめないね」

 1月25日に運行が始まった仙台空港を起点とする直通バス「仙台空港・松島/奥松島観光周遊バス」。初日の第1便を利用した埼玉県の観光客4人の感想である。

 空港を午前10時10分に出発したバスは、午前11時35分に旧野蒜駅を利活用した震災復興伝承館へ。トイレ休憩の時間しかなかったため素通り同然となり、10分後に奥松島縄文村歴史資料館敷地内にある駐車場へ到着した。

 空港に戻る午後0時50分出発のバスまで滞在時間は1時間余り。この間、取材で行った自分が観光ガイド役を引き受け、奥松島遊覧船案内所などを紹介。特産品の焼きのりやとろろ昆布などお土産品を購入した観光客に喜んでもらえた。

 空港発のバスは、鉄道の乗り換えなしで日本三景松島・奥松島と、世界文化遺産平泉を結ぶことで利便性を高め、国内旅行客だけにとどまらず、インバウンド(訪日外国人旅行客)の需要開拓を目指す。

 奥松島をコースに加えることで、東日本大震災からの復興の様子を紹介する狙いもあったが、震災復興伝承館の見学も不可能な状況だった。

 「滞在時間が長ければ…」。名残惜しそうにバスに乗り込んだ観光客の言葉は重い。関係者らもこうした指摘は十分に承知している様子。

 今回のように日帰りの観光客が二度と“肩透かし”に合わないようなダイヤ改正など、早急な改善が求められる。

(桜井泉)

【2017年2月14日(火)石巻かほく掲載】


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