(75)春遠からじ

 立春も過ぎ、陽の光も心なしか明るさを増してきました。南からは梅や水仙の花便りが。

 英語で「春」は、ごぞんじ spring 。しかし、「スプリング」と言えば、もう二つの言葉が思い浮びます。一つは「バネ」を意味する「スプリング」、そして仙台近郊の泉ヶ岳にある「スプリングバレー泉高原スキー場」。「スプリングバレー」は明らかに「泉」を意識して名付けられたものでしょう。

 「春」「バネ」そして「泉」…これらの意味を持つ spring とは、どのような言葉でしょうか。

 spring の元々の意味は「跳び出る」です。ここから「バネ」、草木がヒョィと芽を出す季節ということから「春」、そして、こんこんと水が湧き出る「泉」となるというわけです。

 英語で「温泉」は hot spring と言うことはご存知でしょう。 spa(スパ)という語もありますが、これはどちらかというと保養地としての温泉を表します。 spa はベルギーの温泉地の名前に由来するとのこと。

 また、「春」はフランス語で printemps(プランタン)、スペイン語/イタリア語で primavera(プリマヴェーラ)と言います。イタリア・ルネッサンス期の画家サンドロ・ボッティチェッリが描いた「春(プリマヴェーラ)」はあまりにも有名ですね。

 19世紀イギリスのロマン派詩人・シェリーの一節をご紹介します。

 「冬来たりなば春遠からじ」
 “ If winter comes, can spring be far behind ? ”

 直訳すれば「冬が来れば、春ははるか後になるだろうか?」(いや、遠くはない。近いのだ)

 今は寒さの真っ最中。でも、春はもうそこまで。じっと待ちましょう。

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2017年2月14日(火)石巻かほく掲載】


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)