俳句 (2/4掲載)

俳句

【石母田星人 選】

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寒月や此処に居てよと星一つ  (石巻市門脇・佐々木一夫)

【評】現在、夕方の南西の空では天体ショーが繰り広げられている。主役は宵の明星の金星。沈んでゆく月がそのそばを通る。「此処に居てよ」という金星のつぶやきを聞いた作者。童画的な把握に共感。

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福引の軽く大きな夢袋  (石巻市桃生町・渡辺龍夫)

【評】福引は新年の季語。元は正月の遊戯。ひもを引きその先に付いている品物を取り合った。明治になって、くじを引いて景品を当てる形に変わった。この句の景品は「軽く大きな夢袋」。当てた袋は思いのほか軽かったが、中身の豪華さにびっくり。新年の季語の本意・本情は「めでたさ」にある。作者が手にしためでたき春。あやかりたい。

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寒夕焼音量あげる鴉かな  (仙台市宮城野区・佐々木征子)

【評】鴉の群れが鳴きながら夕空を横切る。今日はいつもより大きな声で鳴いている。背景には寒夕焼。その無限の広がりをたたえているようにも聞こえる。

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這這の児も混じりおりお元日  (石巻市中里・鈴木登喜子)

【評】元日にそろった親族。いつもはひっそりしている家がとてもにぎやか。初めての正月かもしれない這這の児。「児も」とあるが、むしろこの子が主役。

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僧坊のしじまの底に落椿  (東松島市矢本・紺野透光)

家ごとに春を祈祷の大太鼓  (石巻市桃生町・西條弘子)

水餅や夫の分まで生かされて  (石巻市大森・横山つよし)

復興の湯気に安らぐ鍋の牡蠣  (石巻市飯野・高橋芳子)

大寒の仮設解体始まれり  (石巻市広渕・鹿野勝幸)

寒椿ナイフのやうな風の来て  (石巻市相野谷・山崎正子)

海苔舟やけあらし分けて帰り来し  (東松島市矢本・雫石昭一)

鳥も来ぬ真白き朝や寒の入り  (石巻市鹿又・高山照雄)

通学路お飾り一つしんとして  (仙台市青葉区・狩野好子)

産声をあげし男の子や大旦  (石巻市小船越・加藤康子)

かいつぶり水底のこと思ふかな  (石巻市中里・川下光子)

雫踊らせ百本の軒氷柱  (石巻市相野谷・戸村昭子)

玉紙のひとつ華ぐ古畳  (石巻市開北・星雪)

女正月食べて喋つてひと日過ぐ  (石巻市桃生町・佐々木以功子)

寒菊の生きねばならぬ色つくす  (石巻市小船越・三浦ときわ)

馴染でもけさはめでたい初雀  (石巻市吉野町・伊藤春夫)

恵方巻今年は何かありそうな  (石巻市北上町・佐藤嘉信)

【2017年2月4日(土)石巻かほく掲載】

■作品を募集中

 短歌、俳句を募っております。皆さんの力作をお寄せください。募集要項は次の通りです。

 短歌、俳句とも必ずはがきを使い、1枚に3首・句まで。いずれも自作の未発表作品に限ります。作品は返却しません。

 作品と同じ面(裏面)に氏名(筆名の場合は本名も)・住所・年齢(学年)・電話番号を記し、〒986-0827石巻市千石町4の42、三陸河北新報社編集部・文芸係まで。連絡先は0225(96)0321。


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