川村孫兵衛(河北新報石巻総局・古関良行)

水紋

 川村孫兵衛への関心がこれほど高いとは正直、思わなかった。

 石巻専修大で1月28日に開かれた「川村孫兵衛シンポジウム」。

 予定の100人をはるかに上回る約300人が詰めかけた。会場の階段教室は立ち見が出るほどぎっしり埋まった。

 「100人も集まるかなあ」。パネル討論のコーディネーターとしてシンポの準備から関わったが、内心は心配だった。それが杞憂(きゆう)に終わり、ホッとしている。

 孫兵衛は現在の山口県萩市で生まれた。初めは毛利氏に仕えたが、土木の技能などを伊達政宗に見いだされ、家臣に加わったという。

 彼は政宗の命により、北上川の改修に尽力した-と伝わる。ただ、多くは伝承にすぎず、北上川改修を裏付ける孫兵衛についての史料は残念ながら、ほとんどない。

 史料では、追波河口の針岡地区で新田開発する際、孫兵衛が河川改修の「普請奉行」に任命されたという文書が残っている。恐らく、北上川改修でも普請奉行として腕を振るったのだろう。

 孫兵衛の功績をたたえる石巻川開き祭りはあまりにも有名だが、彼自身についてはまだまだ謎が多い。孫兵衛とはどんな人だったのか? そうした関心が、シンポに足を運んだ多くの人にあったのかもしれない。

 孫兵衛を軸にし、北上川や地域の歴史を掘り起こす。ゆかりの地を訪ねるなどして孫兵衛についてもっと知る。そんな活動が今後、活発になればうれしい。

(河北新報石巻総局・古関良行)

【2017年2月2日(木)石巻かほく掲載】


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