行方不明者捜索(山家達也)

水紋

 東日本大震災の月命日の11日、行方不明者捜索の取材で石巻市旧長面漁港に出掛けた。現場では河北署員5人が打ち上げられた漂流物をレーキを使いながらかき分け、行方不明者に関するものを懸命に探し出していた。

 気温は0度近く、冷たい風が容赦なく体力を奪う。シャッターを押す指先の感覚は痛覚しか残らなかった。それでも、署員たちは愚痴一つ言わず黙々と捜索を続けた。その姿に、業務の一環としてではなく「絶対に行方不明者を家族の元に帰す」といった信念を感じた。しかし、この日は行方不明者の特定ができるは何も見つけることはできなかった。

 月命日の捜索は既に50回以上行われている。11日に捜索した現場は昨年も2回ほど探した場所だという。署員は「潮流の影響で新たに流れ着いている可能性もある。最後の一人が見つかるまで捜索を続ける」と言った。

 石巻市、東松島市、女川町では707人がまだ家族の元に帰れていない。県警は遺族からの要望があれば引き続き捜索を行いたいと話している。

 昨年12月には石巻海上保安署が、女川沖で発見された遺体の身元が判明したとして遺族に遺体を引き渡している。

 復興が進み、明るい話題も多くなってきたが、その陰で今も地道な捜索活動を続けている人々がいることを忘れないでいたい。そして、行方不明者全員の身元につながるものが家族の元に帰る日が、一日も早く訪れることを願う。

(山家達也)

【2017年1月24日(火)石巻かほく掲載】


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