初日の出(河北新報社石巻総局・関根梢)

水紋

 今年の初日の出は、女川駅前で拝んだ。昨年12月に河北新報社石巻総局に着任して早々、複数の町民に「絶対に見ておいた方がいい」と熱く勧められたからだ。

 1日午前6時すぎ、眠い目をこすりながら、駅に併設された「女川温泉ゆぽっぽ」3階の展望フロアに到着すると、カメラを構えてその時を待つ数人の先客。栃木県から訪れた男性もいた。

 6時半を過ぎて空が明るくなってくると、駅前にわらわらと人が集まってきた。ゆぽっぽのスタッフからいただいたカイロを手に、白い息を吐きながらじっと海を見つめる。ふと周囲を見回すと、展望フロアも多くの人でにぎわっていた。

 太陽が水平線から顔を出す。暗い海にオレンジ色の光が走り、テナント型商店街「シーパルピア女川」へと伸びて行く。プロムナードの中央を抜けるように町が照らされると、辺りは不思議な高揚感に包まれた。数百人が同じ一点を見つめてたたずむ姿は、町民一丸となって復興まちづくりを進める女川の町を象徴する光景に思えた。

 「女川の海は宝だと思います」。昨年末に取材した20歳の漁師の言葉を思い出した。豊かな海産物を育むとともに、海は人々の思いをつなぐ役割も担っているのかもしれない。

 仙台市内の実家に向かう電車の中で、友人らに初日の出の写真と新年のあいさつを送った。

 「あけおめ。女川すごい。絶対に見ておいた方がいいよ」

(河北新報社石巻総局・関根梢)

【2017年1月17日(火)石巻かほく掲載】


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