展望(浜尾幸朗)

水紋

 元旦に届いた年賀状で、経済人の言葉が目に留まった。

 「今年は市長選。入れたい候補はいません」

 強烈なメッセージではないか。

 4月16日告示、23日投開票の石巻市長選には、いずれも無所属で、現職で3選を目指す亀山紘氏(74)と、前回市長選で敗れた元市議会議長の阿部和芳氏(56)、亀山市政に批判的な市議の黒須光男氏(69)が立候補を予定している。

 亀山氏は「震災復興、私の政治姿勢に対し市民の審判を受けたい」と語る。阿部氏は「現状のトップダウン型ではなく、市民ファーストの政治を手掛け、震災の復興を加速させる」と強調する。黒須氏は「今の石巻は病んでいる。難局を乗り切るため、変革の先頭に立つ」と意気込む。

 それぞれ必要な政策や公約を掲げるが、市民が将来に向かって夢と希望を抱き、安心して暮らしていける石巻をどう創り上げていくか、明確なビジョンや未来像が提示されていない。

 人口減少や超高齢化など多くの課題を抱え、市民にとって将来不安は尽きない。未来が「視界不良」であっては、定住や移住も進まない。展望なき市政は市民を失望させ、「政治への諦め」を加速させる。

 候補への論評は避けるが、次代を担う若者を含め多くの市民が政治に期待し、市政に参画する意欲を喚起するような実効性のある政策とビジョンを打ち出してほしい。新しい時代を切り開く力がトップリーダーには欠かせない。

(浜尾幸朗)

【2017年1月10日(火)石巻かほく掲載】


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