小杉勇の映画(河北新報石巻総局・古関良行)

水紋

 石巻市旭町の出身で俳優・映画監督として活躍した小杉勇(1904~83年)という人がいる。彼のことを知ったのは、かれこれ、10年ほど前のことだった。

 その頃、河北新報栗原支局に勤務していた。今は栗原市となった花山村の村史を読みふけっていて、小杉勇の名前に出合った。

 今から80年前、花山村を舞台に撮影された映画に小杉は出演している。花山の山中に飛行機が墜落した事故を基に映画は制作された。

 花山村史によると、1936年6月、読売新聞社が北海道で皆既日食を取材した帰り、飛行機が村の山に墜落した。けがを負った記者が山を下りて住民に救助を依頼。村人らが現場に登ると、操縦士が血だらけで失神していたという。

 この事故を題材に同じ年、小杉が出演した映画「日蝕(にっしょく)は血に染む」(日活)が撮影された。花山でも上映され、多くの観客が詰めかけ大盛況だったと記録されている。

 地域誌「石巻学」第2号で、小杉の生涯が記されていて、興味深く読んだ。石巻で育った東京中日スポーツ記者、本庄雅之さんが関係者を取材してまとめた。本庄さんが先日、同誌の刊行記念トークイベントで訴えていた。

 「石巻で小杉勇の作品を定期的に上映できないだろうか」

 どれほどのフィルムが今、残っているのかどうか、それは分からない。でも、日活の全盛期を支えた小杉の作品をぜひ、石巻で見てみたい。

(河北新報石巻総局・古関良行)

【2016年11月24日(木)石巻かほく掲載】


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください