孤食解消(桜井泉)

水紋

 「今後は月1回ペースで、ハンバーグやギョーザなどメニューを変えて開催していきたい」

 こう意欲を燃やすのは、石巻市渡波黄金浜の渡波キリスト教会で先月10日に始まった地域食堂「渡波たべらいん」の実行委員長を務める菅野芳春一般社団法人ワタママスマイル代表。

 10団体が名を連ねる実行委員会を組織し、子どもからお年寄りまで世代を超えた人々が集まり、食事を通してつながりを深めてもらうのが狙い。

 背景には東日本大震災がある。渡波地区は3分の1の家屋(約2200世帯)が全壊になるなど旧市内でも被害が大きい。一方で、新渡波や新渡波西地区を中心に復興公営住宅が建設され、約1500人が新たな生活をスタートさせている。

 復興公営住宅に移り住んだ入居者は高齢者世帯が多く、孤立している人が少なくない。1人親世帯や、親の失業で生活困窮に陥っている家庭も増加しているという。

 こうした状況を憂慮した10団体が一致団結。全国的な広がりを見せている“孤食”解消に向けても動きだした。

 1回目のメニューはカレーライス。参加者、実行委員会のメンバーが調理した後、食事を楽しんだ。

 注目すべきは、この日用意した米や野菜など実行委や活動趣旨に賛同した参加者の寄付で、豚肉以外、善意で賄った点。メンバーも「絆、つながりが実感できる地域にしよう」と張り切る。

 背伸びをせずに身の丈で取り組む、こうした試みは意義深い。

(桜井泉)

【2016年10月6日(木)石巻かほく掲載】


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