災害と情報(河北新報石巻総局・古関良行)

水紋

 東北福祉大(仙台市青葉区)で先月、「災害と情報」について学生たちに話す機会があった。その準備の過程で、学ぶことが多かった。

 そもそも、何げなく使っている「情報」とは何なのか。

 語源は明治期、フランスの軍事教本を翻訳する際に「敵知する」という意味合いで「状報」と表したことにある。それが次第に「情報」に変化した。

 敵の状態を味方に知らせることは、戦いを左右するし生死にも関わる。これは災害でもいえる。災害対応のさまざまな局面で、情報はまさに生死を分ける命綱となる。

 「行政が単に情報を流すだけでは駄目で、人々の行動に結びつかないと意味がありません」。情報を「わがこと」として捉え、行動にどう生かすのか。学生たちにはその大切さを考えてほしいと思った。

 情報は「伝える」だけでなく、必要な時に必要としている人に「伝わる」ことが求められる。その重要性を再認識したのが、台風10号だった。

 入所者9人が死亡した岩手県岩泉町の高齢者施設は、町が出した「避難準備情報」の意味を理解しておらず、避難誘導が遅れたという。

 避難準備情報が出たら、お年寄りら要援護者はすぐ避難を始める。一般の人は避難できるよう備える。そうした内容が分かりにくく、避難の準備を促すだけの情報とも受け止められがちだ。

 どうすれば、適切に伝わるようになるのか、工夫の必要があると思う。

(河北新報石巻総局・古関良行)

【2016年9月27日(火)石巻かほく掲載】


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