高台の「今」伝える(河北新報石巻総局・八木高寛)

水紋

 東松島市野蒜地区で4日、防災集団移転団地「野蒜ケ丘」(野蒜北部丘陵地区)地区の宅地が引き渡された。今回が2度目の引き渡し。市内で最後に残された高台団地の整備が、いよいよ本格化してきた。

 ここに至るまでの経緯や、野蒜地区の現状をつぶさに記録し続ける媒体がある。野蒜市民センターが中心となって月1回発行する「野蒜復興新聞」だ。2012年8月創刊し、今月で46号を数える。

 A4判両面の復興新聞は「情報が入りにくい」という住民の声に応えようと発行。集団移転を計画する住民でつくる「野蒜北部丘陵振興協議会」の会合内容や、団地の整備状況などを中心に復興の話題を載せる。

 また、地区の歴史や史跡をテーマに市民センターが取材したり、住民が寄稿したりするコーナーもある。野蒜地区は津波で甚大な被害を受けたが、それでもこの地域が好きだという気持ちがにじみ出ている。

 団地の整備は来年の災害公営住宅の引き渡しをもって完了する。高台に人の営みが生まれれば、復興新聞の果たす役割も変わってくるだろう。

 この新聞、市民センターや旧野蒜駅などに置かれている。編集を担当する市民センターの斉藤弘紀さん(30)は「将来的には、住民がまちを愛するツールの一つになればよい」と語る。

 自分にとっても、野蒜地区への関心を引きつける大切なメディアとなっている。

(河北新報石巻総局・八木高寛)

【2016年9月13日(火)石巻かほく掲載】


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