受験の神様(及川智子)

水紋

 「受験の神様」として知られる石巻市北上町の釣石神社。毎年12月の第2日曜日に、氏子が集まり正月の準備をする。

 先週、その準備作業を取材した。東日本大震災で地域住民が地区外に転出した影響もあり、ことしは近年で一番少ない約30人が参加した。

釣石神社 ヨシの茅の輪作り

氏子たちの手でヨシの茅の輪作りが行われた=石巻市北上町の釣石神社

 境内にヨシで作った茅(ち)の輪を飾り、斜面にせり出した巨石に紅白のしめ縄を巻き付ける。茅の輪は約200キロ。「ヨシ合格、みんな合格」という語呂合わせで作られた幅4.5メートル、高さ3.5メートルの竹の支柱にくくり付けていく。

 北上川で取れたヨシを使用していると思っていたが、近くの被災農地に群生したものだった。刈ると翌年さらに良い状態で生えてくるといい、昨年より良質なヨシが取れたそうだ。

 毎年作っているだけに、完成度にはこだわりがある。男性たちが「曲がってやど」「もうちょっと右だ」と声を掛け合い、きれいな輪が出来上がった。

 完成すると、たまたま市外から訪れていた受験生3人が真新しい茅の輪をくぐって合格祈願した。氏子の皆さんは「大丈夫だ、受かるよ」とエールを送っていた。

 10年以上前だが、受験生だったころのことを思い返すと自分なりに緊張感と闘っていたような気がする。心のこもった手作りの正月飾りが、来年もたくさんの参拝客を励ましてくれるよう祈っている。

(及川智子)

【2014年12月25日(木)石巻かほく掲載】


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