(5)街で島の獅子舞を継承

石巻中文化祭で披露された田代島獅子舞。比較的ゆったりとしたおはやしで始まり、徐々に勇壮になってゆく

石巻中文化祭で披露された田代島獅子舞。比較的ゆったりとしたおはやしで始まり、徐々に勇壮になってゆく

 石巻市石巻中(横沢昌憲校長、生徒300人)の体育館に、笛と太鼓の音色が響く。生徒たちが鳴らすリズムに合わせ、舞台の袖からゴロリゴロリと転がりながら獅子が登場した。軽快でどこかコミカルな動き。田代島に伝わる獅子舞だ。

 田代島獅子舞はそもそも、仁斗田集落の稲荷神社で秋祭りに奉納される伝統芸能。1989年に田代中の廃校に伴い、獅子舞に取り組んできた生徒たちは石巻中に転校した。以降、石中文化祭「群鴎祭」の演目として取り入れられてきた。

 97年からは田代島獅子舞保存会(尾形勝寿会長)の有志が指導し、交流を続けてきた。東日本大震災の津波で保存会メンバーは被災。門脇の尾形会長宅にあった道具も流失、中断した。

遠くに田代島が見える日和山公園で、愛用の笛を手に島の思い出を語る阿部さん

遠くに田代島が見える日和山公園で、愛用の笛を手に島の思い出を語る阿部さん

 日本財団などの支援で道具がそろい、昨年の文化祭で復活を遂げた。

 指導に当たってきたメンバーの一人、阿部暢さん(77)は「なかなか練習時間が取れず、大変だったが、よく頑張った」と生徒たちをねぎらう。

 阿部さんは85年まで仁斗田に住んでいた。「上の子が就職、下の子が高校入学となったのをきっかけに、石巻市街地に移った。先祖代々、長いことお世話になってきた島を離れるのは、つらかった」。現在は東松島市で暮らす。

 稲荷神社で奉納される獅子舞の晴れやかさは、今も鮮明に覚えているという。

(フリーライター・渡辺征治)=毎月最終日曜日掲載

【2014年10月26日(日)石巻かほく掲載】


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