出会い(及川智子)

水紋

 取材を通じて、物作りに取り組む作家さんに話を聞く機会がある。楽しいのだが、本人のコメントをまとめようとすると大体苦戦する。

 記事にするとなると行数に限りがあるが、作品作りに対する熱意や世界観を、できるだけ本人の思いに沿った形で伝えたいと思うからだ。

ユーリさん

かごを手に来場者と話すユーリさん(左)

 石巻市のカフェ・雑貨店で今月、シラカバの木を材料に作られたクラフト作品の展示会が開かれた。そこで、木が寿命を終えるころに少しだけ切り取った皮でかごを編み続けている、ユーリさんという女性作家に会った。

 シラカバとの出合いやかご作りに込めた思いのほか、石巻市の女性から手紙が届き、それがきっかけで交流が生まれたという話をしてくれた。

 東日本大震災後にユーリさんのかごを手にしたという女性から届いた手紙には、震災のことには触れず「かごに触っていると安心する」と書かれていた。

 今回の展示会は、その縁から開催されることになったという。

 4月になり新たに出会う人とあいさつを交わすことも、知っていた人にこれまでとは違った形でお世話になる機会も出てくる。思いを伝えるのはもちろんだが、ユーリさんのエピソードを聞いて一つ一つの出会いを大切にしたいとあらためて思った。

(及川智子)

【2014年4月10日(木)石巻かほく掲載】


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