地域の味(菊地利明)

水紋
 「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、地域の四季や文化、風土を背景にした郷土料理にも注目が集まる。優れた食材やおいしい料理が多い石巻地方を全国に発信する好機だ。

 効果的に魅力をアピールするためのヒントを先日見つけた。

 石巻市北上町の追分温泉であった地域色のある家庭料理を発掘し、販路に乗せる機会をつかむための「食でつながろうプロジェクト」試食会。

追分温泉

食事の前に行われた講話=昨年12月9日、石巻市北上町の追分温泉

 北上町十三浜地域の伝統の年越し料理と、人が集う際に各家庭から持ち寄る「とりまわし」と呼ばれる煮物や漬物、炒め物の料理を味わった。

 会場に設置した豊作などを願う「かけ魚」「アボヘボ」「マユダマ」の風習の再現、食材や文化に関する解説がまた、料理を味わい深くした。食材は大半が地元でとれた物で、味付けや調理も地元の人が行った。

 雑煮の繊細なだしの味、あんこや干し柿の素朴な甘み。山野に自生する植物の実を使った果実酒なども地域独特のもので良かった。

 知識を得て料理を頂くと、味が違ってさらにおいしさが増してくるようだった。

 無理なく知識を提供できる場面やタイミングをうまくつくることが鍵だ。心も満たす食事は、思い出にも残りやすい。自然環境だけではなく、街の文化で育まれた伝統料理も同様だ。

(菊地利明)

【2014年1月9日(木)石巻かほく掲載】


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