(36) 「松本山」から/開発は沢水との戦い

「松本山」から

石巻小の敷地内では屋内体育施設の新築工事が進められている=10月


 石巻市泉町の石巻小の講堂が、7月に解体された。1936年の完成以来、77年の歴史を刻んできたが、耐震性などで問題があったという。現在、講堂の跡地では新たな屋内体育施設の建設工事が進んでいる。

 学校に隣接する崖の上から工事現場を眺めてみた。多量の湧き水が出て、工事は遅れ気味らしい。この辺りは地名が示す通り、住宅地も湧き水を利用した池や古い井戸が点在している。池は石巻小の敷地内にもある。旧地名は八ツ沢といい、日和山、鰐山、羽黒山から流れ出る沢水が集まる場所だった。昭和初期に講堂を建築する際も湧き水に悩まされたという。

 崖の上に古い墓地が残る。墓銘を見ると、江戸時代のものらしい。一帯は松本山ともいう。信州松本から石巻に移った一族の子孫松本但馬兼満が、祖先の遺骨を改葬したと伝えられる。

 兼満は現在の羽黒町1丁目にある永巌寺を開基した人物でもある。仲町の北部(現在の中央3丁目)の開発にも携わり、石巻の街場の草創期に大きな役割を果たした。

【2013年10月27日(日)石巻かほく掲載】

(文・写真:写真家 日下羊一・日下真理)

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