続ける(奥山優紀)

水紋
 「俺たちがやらないとだめなんだ」。氏子青年会のメンバーたちは、酒を酌み交わしながら何度もつぶやいていた。

 7月、石巻市長面地区にある北野神社末社・八雲神社の例祭とみこし渡御祭を取材した。声を掛けられ、その後の宴席に参加させてもらった。

みこし渡御祭

長面地区で行われたみこし渡御祭=7月14日

 「青年会」という割には年を重ねた50、60代の男性たちが、グラス片手に早くも来年の祭りをどう運営するか話し合う。無事に一仕事を終えた安堵(あんど)感は、なかった。

 東日本大震災で災害危険区域に指定された長面地区には、もう住めない。住民たちは散り散りになり、市内外の仮設住宅などで暮らしている。

 今回の祭りには、仮設住宅で暮らすお年寄りが長面へ足を運べるよう、送迎バスを用意していた。しかし、当日の利用者は1人。祭りを地区の人たちが集まるきっかけにしたい、伝統を守りたいと活動を続ける氏子たちの思いとは裏腹だった。

 先日、氏子の1人から電話をもらった。今月29日午後1時から、仮設追波川河川団地で、北野神社の奉祝祭を開くという。

 続けることは、簡単なことじゃない。かみしめながら、奉納される神楽を鑑賞したい。

(奥山優紀)

【2013年9月26日(木)石巻かほく掲載】


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